事故になっていたかもしれない「ヒヤリ」「ハッ」とした事例をヒヤリハットと呼びます。偶然事故にならなかっただけであり、ヒヤリハットの事例を放置しておくといずれ重大な事故に繋がりかねません。原因と対策を講じることで介護事故を起こさないようにすべきでしょう。ヒヤリハットの原因は、大きく分けて3つあります。1つ目は、要介護者である利用者本人によるものです。排泄、食事、入浴などの場面でも障害の度合いによって気を配らなければならない要素は変わってきます。また、脳に障害があるのか、体の機能に障害があるのか、また、体のどの部位に障害があるのかによっても対処は異なってきます。利用者にどのような対処が適しており、また、望んでいるのかを考慮しながら介護していく必要があります。2つ目は、支援する側に原因がある場合です。介護には休暇というものはありません。日々の疲れやストレスが溜まると集中力を欠き、判断ミスや体力低下によるミスなどを誘発し、介護事故を起こす危険があります。3つ目は、環境的な要因です。浴室やベッド、トイレなど適切なバリアフリー化がなされていない場合、事故が起こりやすく危険です。事前に確認して、適切な措置を講じることが必要になってきます。介護においてヒヤリハットの事例を見つけたら、皆で共有できるようにメモをとることもよいでしょう。また、1ヶ月に1度定例会を開き、事例を元に原因や対策などを話し合うことも介護事故をなくす方法です。